<< 川掃除体験から川ごみを考えよう! >>
2020年12月13日(日)、<第4回 九州大学うみつなぎふくおかプロジェクト 海辺の教室> が開催されました。今回のテーマは 『川と海とのつながりから【ごみ】を考えてみよう!』と、
1本の川を上流と河口の双方で調査を行い、
海ごみ問題の解決に向けて、考察とディスカッションを行いました🍀
まずは、参加いただいた城南高校生の普段の活動エリアでもある福岡市南区柏原付近、
住宅街の中を流れる『樋井川の中流』 から調査開始!🔎✨
最初の観察場所は、参加者のM君が地域の河川清掃活動に参加した箇所としました。
樋井川は、福岡の油山を水源地とし、百道の海岸まで流れていく長さ約13kmの川で、
南区や早良区の住宅地や街中を流れており、福岡市民にとっても身近な川です🌼
今回の教室では、川の中のごみが溜まっている様子や種類を観察しました。
<写真①↑>ここ付近の樋井川は、住宅地の中に切り立った護岸の水路になっていました。
急な階段を注意しながら下りて、川底に下りました。
<写真②↑>水はゆったりと流れ、川原は水辺の植物のツルヨシで覆われていました。
地形や生態系の話を聞きながら、草むらや川の中を移動中。
水辺は一見きれいでしたが、高校生の体験談とおり、草むらの中や川底の砂の下に
たくさんのごみが埋もれているのが次々と発見 されました😖
特徴としては私たちの日常生活で身近なものが多い という感じ。
空缶や菓子袋、パッケージ、レジ袋、秋の台風の影響と思われる家屋の廃材、
自転車の泥除けパーツなど、かなり大きなものも出てきました。
ほんの100m程度の範囲を歩きましたが、約30分でごみ袋3袋がパンパンに!
<写真③↑>草むらや水底に埋もれたごみ等も回収。
<写真④↑>川の中州で、草に絡まる多くのごみ。 ↑清流に生えるクレソン?!
<写真⑤↑>福岡市の環境美化袋に3袋のごみと、建材のプラスチック波板を回収。
<< 河口へ!海へ! >>
午後からは場所を移動して、樋井川が博多湾へ注ぎ込む河口がある“ももち浜”へ。
福岡市中央区百道2丁目エリア)。
まずは、清掃活動の前に2人の特別講師 から貴重な海のお話を伺いました👏🏻
百道で育ち昔の海辺を知る山永順一さんと、
福岡市東区を中心に活動を行う「海ごみラボ」の木下英生さんです。
山永さんからは埋め立て前の博多湾の様子の話(学校の校庭から直接砂浜を抜けて
海で遊べたという当時の様子にビックリ!)、
木下さんからは福岡の他エリアの海ごみの特徴などを教わりました。
<写真⑥↑>お話中の山永順一さん <写真⑦↑>お話中の「海ごみラボ」の木下英生さん
<写真⑧↑>砂浜にうもれているマイクロプラスチックの検証
<写真⑨↑>砂に埋もれたごみ。表面がきれいでも砂の中には多くのごみがあるのかもしれません。
<写真⑩↑>波打ち際にたくさんの発泡スチロールの粒が漂着していました。白い貝殻もごみまみれ。
最後は、九大西新プラザ会議室(福岡市中央区西新)でディスカッションを行いました。
樋井川の研究をされてきた福岡大学の渡辺亮一教授から、
川ごみの詳しい調査研究について教えていただきました。
渡辺教授は、研究室の学生さんと川ごみ清掃をしており、
生活、食品、レジ袋などを調べた結果から、
川ごみは生活している“一人一人の問題” ということがわかりました。
渡辺教授が研究を開始して10年経った今でも、川ごみがなかなか減ってないのが現状です📝
ごみ問題に対して社会の意識が高まっているのに、どうしてだろう、と皆で話し合いました。
また、ペイント・クリエーターでごみアーティストのminamiさんからは、
福岡市のごみの状況や、世界の海でプラスチックごみがどのように海を漂っているのかを学び、
それぞれが感じたことの意見交換をおこないました。
参加してくれた高校生の皆さんからは
●映像と資料でしか知らなかった海ごみの問題を知れた事がとても大きかった。
●今日の経験、体験を持つ自分たちが、これから引っ張っていかなくてはいけないと感じた。
●拾ってもごみが減らない事実を認めつつ、継続して活動すべきだと感じた。
●今日の体験と話しから、自分から世の中を変えられる人になりたいと強く思った。
●川と海のごみの違いを知れた。
●情報を発信することの大切さを学んだ。
などと、多くの頼もしい意見が! さらに、こんな感想も。
●個人の体験と感想がきっかけで、周りの人たちへも良い影響が広がっていくと嬉しいです。
今回は『川と海とのつながりから【ごみ】を考えてみよう!』のテーマのもと、
これまでよりも広い視点でのアプローチを行いましたが、
『海ごみの約8割が街から』といわれていることを実際目の当たりにし、
一人一人の意識が大切だと、一層感じた1日になりました❣️
※この日の様子は改めて九州大学うみつなぎふくおかの公式ページを通じて動画にて配信予定です。